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Date:  Sun, 7 May 2006 22:49:57 +0900
From:  no@ann.co.jp
Subject:  [pasml 191586] なかなか地道な作業のいる研究ですね〜
To:  pasml@ann.co.jp
Message-Id:  <200605071349.k47DnvH21767@ns.pas2.jp>
X-Mail-Count: 191586

お名前   : なかにし あっか 困りごと掲示板から
URL      : 
質問URL: http://pasokoma.jp/?num=345771&ope=v
ツリー: http://pasokoma.jp/cgi/tree.cgi?num=345771
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向学心にもえた文章、拝読させていただきました。

私は秋葉原から遠く離れた地方在住ですが、ちょうど私がちょっとだけお邪魔した
県内の大学の工学部で、音声データベースの研究をされた研究室がありまして、
「音素」の解析と標本(話者の実際の話し方をデータ化したもの)を集める作業
のうんちくをちょびっとだけ教えていただいておりました。そうそうどこの大学
でもやっていない研究内容だけに、今回のご質問、「なにかの縁?」と不思議に
感じたところも(^^;;

音楽の世界でも「音響心理学」というカテゴリがあり(お取り扱いの音は、別に音楽に
限らないのですが...)、異なる楽器で出した「ド」の音は、どうしてどの楽器の音
でも「ド」と判別できるのか? という毎年新入生から寄せられるであろう質問に
答えを出してましたね。「基音と倍音」の関係を知ると、だんだん音の世界が
おもしろくなって、どんどん他分野の勉強に手をつけてしまいました。

機材のリッチさよりも、できるだけ多くの録音をとって、標本の数を稼ぐかという
ところの勝負かと。ある程度機動力も必要でしょうから、ノートパソコン+アルファ
程度の機材がいいかもしれませんね。

SM-58の周波数特性図を見直しましたが、フラットといえるのは150Hz〜1.5KHz内で
3.5KHz〜10KHzにおおきなピークがあり、100Hz以下はなだらかに感度が下がって
まして「とてもフラットとはいえない」です。SM-58のよさは「フラットな特性」
ではなく「ステージなどの音響に適した特性と音質」なので「フラットじゃない
=悪い」ではないのであしからず。スピーチやボーカル(歌声)の特徴を決める
周波数帯に感度のいい部分を意図的に作り、声の特徴を前に出す特性です。
安いマイクに比べて、特性のあばれ(不均一)は少ないかもしれません。

フラットな特性を求めるには、やはりコンデンサマイクの採用がベストです。
この点「とりあえず音が入る」程度の設計しかしていないパソコン用マイクは
落第でしょう。(かけられるコストがけた違いに低いので、無理もないです)

パソコン+マイク入力対応の外付けサウンドデバイス+コンデンサーマイク
の組み合わせでご検討を。UA-20は、Rorand社が販売していた外付けサウンド
デバイスで、USB端子で接続して使う、A/D・D/Aコンバーターを内蔵した機種です。
この製品の販売は終了しており、後継機種にUA-3FX・UA-4などがあります。
この手の製品は、Windowsからは「パソコン内蔵のサウンドデバイスとは別の」
サウンドデバイスとして認識されます。動作にパソコン内蔵のサウンド回路は
一切関係しません。内蔵サウンドの入力・出力品質に不満を持つ方向けの処方箋で
よくご紹介しており、私自身も近いうちに購入したいと考えています。
マイク入力端子もあり、入力レベルは-45dBu(0.1mV)からと、お求めの条件に
十分添います。むしろ感度が高すぎるかもしれませんので、入力ボリュームや
Input LEVELの切替(LINE-GUITAR-MICがあったら、必要に応じてGUITARを使う)
も活用を。

http://www.roland.co.jp/products/dtm/UA-3FX.html

SONYのマイクはいずれもオーディオ用の、楽器収音用です。UA-3FX・UA-4などと
あわせて使ってください。入力レベルの件は間にUA-3FXなどが入ればクリア
できます。単体マイクアンプやオーディオミキサーの採用は、UA-3などを採用する
より費用と操作技術の習得時間がかかるので、「別の方法」としておいて下さい。

WAVファイルの編集ソフトですが、フリー(無料で使える)&amp;シェアウェア(気に
入ったら作者さんにお金を払う・試用可能)が紹介されているページがありました。
http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/win/art/sound/edit/index.html

spwave for Windowsの作者さんが、名古屋大で音声分析の研究をされているそうで
このソフトにもいくつか分析機能が載っています。先(せん)だちの存在は
ありがたい....

マイクの使用には、マイクスタンドにも気をかけてやってください。研究室などで
使う、あまり持ち歩かないシステムならブームスタンドで決まりですが、卓上用
マイクスタンドは卓上のノイズ(手を机上においたり、机上にぶつけるときの音)
を盛大に拾うものも。マイクスタンドと、マイクを取り付けるホルダーとの
取り付けネジにはいくつか種類がありますが、マイクスタンドを扱っている
楽器店で変換ネジがあります。いずれもインチネジで、国内メーカーで一般的な
5/16・SHUREの5/8(音響業界で「シュアーネジ」)・SONYの1/2の3種類に対応
できればまず困らないです。

余談ですが、地元大学の学生街にある本屋さんで「マンガで読むFET」という
内容の本があるのを見つけまして、「こんな学問をマンガで解説してくれる
世の中になったとは...」と驚きました。「オーディオやるんだ」といきまいた
わりに、高校時代物理学も微分積分も吹っ飛ばした、ヤクザな人間なので、
しっかり立ち読み&購入予定書籍リストにちぇっくしていました...笑えない。

また研究用に必要な機材やソフトなどのことで、わからない点は書き込みください。
私のほうは長期間この掲示板に寄れないこともありますので、必要でしたらメール
アドレスさらします。おしえろーなんて叫...ばないで書き込んでください。

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